素人登山者の山行クロニクルズ

アウトドアとは無縁な生活を送っていた引きこもり系会社員が、何を血迷ったか、登山にハマってしまいました。
主に素人登山者の行く、素晴らしき登山(珍道中)の記録です。

☆西吾妻山(後編)☆~天元台から西大巓へ 東西に連なる高層湿原の山~


いつも当ブログをお読み頂きありがとうございます。
日帰り登山なのに珍しく前・後編となりました。


山形と福島に跨る日本百名山 西吾妻山 登山後編の始まりです。



【前回までのあらすじ】
今年初めての東北遠征・・。
日本百名山である
西吾妻山への登山に、僕szkは大きな希望を抱いていた。



一抹の不安を抱えながら敢行される、山形への完全日帰り登山




吾妻山に伝わる三つ鳴らすとどんな願いも叶うという伝説の鐘・・・。
久々に乗るリフトに浮かれていたら華麗にスル―。
希望の鐘が鳴ることはなかった。



期待に胸を膨らませて辿り着いた西吾妻山の山頂には、木が生い茂り、眺望はナッシング!
このままでは帰れない僕は、希望を求めて吾妻連邦を更に西へと向かうのであった。





果たして、人生に希望はあるのか?


人類存亡を賭けた戦いが、今始まろうとしていた・・・。



・・・。




ということで、展望の全くない山頂を後にして一路西大巓へと足を進めます。



12:19 西吾妻小屋の分岐点に到着。



前方に見えているのが西大巓
行って帰ってコースタイムは一時間ちょい。



当然アップダウンになるので、登り返し✖2
一旦下ったところで、予想外の思わぬ僥倖が!




わーお! 会津の名峰、皆大好き磐梯山が見えてきました!
雲で見えないことも多いらしいので、ラッキーでした。




この絶景さえあれば、だるい登り返しも苦になりません。



12:49 西大巓に到着!
すっかり消えてしまった標識が不安を煽ります。
果たしてここからの眺望は・・・。



真正面に磐梯山を望む大展望が広がっていました。
来てよかった!



ここにきて軽く腹ごしらえ。
コンビニで買った山形の平田牧場金華豚おにぎりを。



磐梯山をおかずに舌鼓。
磐梯山に登ったのは、かれこれ一年半前になりますかね。



磐梯山から見た西吾妻山
5月だとまだ結構残雪があるみたいですね。





西大巓からの眺望はそれだけではありません。



前回より飯豊連峰がより近くに見えます。
東北で2000mを超えている数少ない山の一つ。



月山鳥海山も(たぶん)



磐梯山の奥には猪苗代湖が。


西大巓て大菩薩嶺でいうところの大菩薩峠みたいな存在ですね。

山頂には眺望がなくても、それを補完するに値する圧倒的眺望がここにはありました。



13:07 名残惜しいですが、のんびりしてるとリフトが終わってしまうので、ぼちぼち戻るとしますか。




登り返しは好きではありませんが、今日はあまり疲れてはいないのでいつもほど苦にはなりません。



13:38 西吾妻山荘まで戻ってきました。




ここは無人の避難小屋ですが、トイレを借りることができます。
チップも忘れずに。



山頂を迂回して天狗岩まで戻ります。



13:50 あっという間に吾妻神社のある天狗岩まで戻ってきました。




それにしても、今になってだいぶ天気が良くなってきたな・・・。




まあ、ゆっくり帰りますか。




そのまましばらく進んで、そろそろ梵天岩が見えてきてもいい頃かと思ってましたが、一向に景色は開けず・・・。



いや、なにかおかしいぞ・・・。



これはまさか!?



とりあえず、スマホのアプリ『山と高原地図』で現在地を確認・・・。




あーー!
道間違えて、再び山頂に向かってる





余裕をぶっこいていたら、突如として窮地に立たされました。




とりあえず走ってもう一度天狗岩に戻ってきました。
まさかこんなところで道迷いするとは・・・。



14:13 何とか梵天岩に到着。



あとは心を無にして登山口へ向かいひたすら下りるべし!



14:40 中大巓の分岐まで到着。
帰りは人形岩を通らず、最短ルートでリフト乗り場まで。



樹林帯を抜ければ、もうリフト乗り場です。



15:01 リフト乗り場に戻ってきました。



これで今回の登山も終わりかと思いかけたその時・・・。



そう、そこには希望があったのです!
幸福』『希望』『安全』三つの鐘を鳴らすことができました。

よし! これで願い事が叶うぞ!




そーだな・・・。
まあ、そこまで言うなら、僕にもそろそろ・・・こう・・・



彼女的






あーー! やっぱりか!?





唐突にあった明道の滝展望台



どれどれ・・・




あ? え・・・? 小さっ!!





微妙な気分のままリフトを乗り継ぎ・・・。



天元台高原駅に到着。




ロープウェーを待っている間、駅の前にあった湧き水で喉を潤します。
よく見たら、岩がおサルになってました。



ロープウェーで下まで行って



登山バッジをゲット!




そして今日の日帰り温泉は、ロープウェーの湯元駅から車で数分のところにある
白布温泉『中屋別館不動閣で!



細長い内風呂、『オリンピック風呂』で有名な旅館です。
露天風呂も最上川源流を見ながら入れるのでいいんですが、内風呂から露天風呂に行くのにいちいち着替えて移動しないといけないのが、少し面倒・・・。




いつもならここでもう帰るところですが、はるばる米沢まで来てここで終われるはずがありません。




米沢牛を食べずに、今回の東北遠征を終われるはずがないのです!




米沢駅より車で数分。
米沢牛の老舗米沢牛亭ぐっどで晩餐といきます。



店内に飾られた圧倒的存在感の米沢牛認定証。



サーロインステーキセットを注文!



特選米沢牛を使った悪魔的ステーキをレアで。
高い和牛ってとりあえず滅茶苦茶柔らかいイメージでしたが、
肉本来の食べごたえもあり、絶品でした。
気が付いたらなくなってました。




米沢駅に戻ってお土産を物色。




ふと目に止まったバターどらやき
ほんとにバターの入ったどら焼きでしたが、この組み合わせ・・悪くないな。




米沢藩は、反徳川派だった上杉家が移封されてきた場所。
毎年上杉まつりのときに川中島の合戦が再現されるそうです。
このまつり結構見てみたいんですけど、おそらく上杉謙信は米沢に来たことはなく、米沢で川中島っていうのも少し違和感を感じてしまうのは、僕だけでしょうか・・・。
それだけ上杉家が今でも米沢で愛されているということでしょう。


実際にあったかどうかは賛否両論ですが、上杉謙信武田信玄の一騎討ちは、かっこ良すぎです。



なんだかんだで、今回の山形遠征も無事終了。
あとは新幹線で東京方面へ帰るだけです。


遠いんですけど、やはり東北の山って好きです。
森林限界が低いので、低い標高でも高山みたいな雰囲気が味わえるのがいいですね。
今年は今回限りとなりますが、来年こそは鳥海山に登りたいと思います。


お読み頂きありがとうございました。
それでは。

☆西吾妻山(前編)☆~天元台から西大巓へ 東西に連なる高層湿原の山~


皆さんご無沙汰しております。
少ない更新ですが、いつも記事をお読み頂きありがとうございます。


9月12日、山形と福島に跨る吾妻山に登ってきました。
吾妻山は東西になだらかに連なる連峰の総称で、最高峰は西吾妻山2,035mです。
山形の米沢方面から登る際は、天元台からロープウェーとリフトが運行しており、それらを使うことによって標高1,820m地点まで行くことができます。


ということで、今年初の東北遠征、山形県米沢への旅はじまりです。




早朝ののJR東京駅。
今回の旅もここから始まるわけですが、



最初に言っておきますが、今回もいつもの手口です・・・。



去年山形の月山に登った時も夜行バスで行ってますが、今回は千葉早朝出発からの


山形完全日帰り登山



日帰りできるところは極力日帰りで、日帰りできなそうなところも何とか日帰りで

このブログのモットーです。



で、使うのはもちろんこいつ・・・。
山形新幹線つばさ121号



もうすぐ出発時間なのに、中々来ないな~と思って右を向いたら、既にホームに来てました。
山形新幹線は他の新幹線に比べて短い編成なので、ホームの端の方にいると乗り遅れます。




移動を楽しむのも旅の醍醐味・・・



東京駅で駅弁を購入していました。
今回は米沢へ行くということで、お肉系は我慢して海鮮系で。




おお! 朝からプチ贅沢な感じ。
普段頑張っている自分へのご褒美
世の中には人をダメにする便利な言葉があるものです。



車窓からイヤに目立つ山が見えてきました。
茨城県が誇る名峰筑波山です。
栃木からこんなによく見えるとは。




8:20 JR米沢駅へ到着です。
駅に等身大の牛が。さすが牛肉の町米沢



とりあえず駅を出て。



これもいつもの手口・・・遠方への日帰りを実現させる上での切り札レンタカー




米沢駅から登山口のある天元台までは意外に近く、車だと30分ちょい。
あっという間に天元台高原ロープウェー乗り場の駐車場へ。



まずは天元台高原ロープウェー湯本駅



こんな感じでロープウェーとリフトを乗り継いで1,800mくらいまで一気に登ります。




楽に上まで行くことはできますが、ロープウェーとリフトの営業時間には注意しましょう。



登山バッジは帰りに買うとして・・・。



ロープウェーとリフトのチケットホルダーが売ってました。
普通に考えたら必要ないんですけど、こういう小物にめっぽう弱い自分は、まんまと買ってしまうのであった・・・。



ゴンドラに乗って天元高原駅まで約5分ほど。



ロープウェーの中から日本海側を見ると、飯豊連峰が見えました。
アクセスはすこぶる悪いらしいですが、素晴らしい山みたいです。



天元台高原はスキーリゾートと言った感じ。
ここから更にを乗り継いで上へ向かいます。



唐突にあった『幸福の鐘
とりあえず鳴らしておけば間違いはありません。




少し歩くとリフト乗り場があります。



ここから三機のリフトを乗り継いで北望台まで上がります。




振返れば、労せずしてこんな眺望を楽しめます。



こういう名峰にスキー場を造るのは、景観を壊すのであまり賛成できませんが、
こりゃ便利だ。



雲に隠れてよく見えないですが、方角的に月山かな?
確か去年登った時も今頃だったな・・・。




10:27 リフト搭乗時間合計35分
北望台に到着しました。
まだ9月だとはいっても、さすがに肌寒くなりました。



ここには『安全の鐘』がありました。
さっきは良く読んでなかったんですが、
リフトを乗り継ぐ途中に『希望の鐘』というのがあったらしく、三つの鐘を鳴らすと願い事が叶うとか叶わないとか・・・。
で、『希望の鐘』を鳴らし損ねた自分・・・。


それなりに幸福安全ではあるけど、希望がない・・・。


まるでどっかの誰かさんの人生みたいじゃないか。



10:33 さあ、希望を求めて西吾妻山に登り始めましょう!



これが今回歩いたルート。
リフトで登れるから比較的楽だと思ってましたが、何だかんだ結構歩いてたり。





今回から登山靴を
【SIRIO】シリオ PF440 にバージョンアップ
これまで履いていた SIRIO P.F.302 よりソールが固い為、岩場や荒れ地などが歩きやすくなりました。


足型が日本人のステレオタイプ、幅広・甲高の為、基本海外製の靴が足に合いません。
でも、LA SPORTIVAとかハイカラな登山靴も一度履いてみたいです。

SIRIO(シリオ)トレッキングシューズ P.F.440 HNT 23.0cm
SIRIO(シリオ)トレッキングシューズ P.F.440 HNT 23.0cm
SIRIO(シリオ)
シューズ&バッグ



まずは最初の分岐を人形岩方面へ。



まずはお約束の樹林帯歩き。
東北の山ですが、何気に森林限界は高めなようです。



11:00 何だか岩だらけの見晴らしの良い場所へ出てきました。




ここが人形岩ですかね?
よくわからなかった・・・



吾妻連邦東側を背中に先へ進みます。



ここ大好きな木道歩き。
広大な草原エリアです。



結構整った石畳



11:13 あっという間に中大巓分岐。




気持ちいい草原の中を伸びる木道・・・。
んーいいじゃない。



木道が終わると道が水浸しに。
木道が恋しい・・・。




このルート唯一の水場、大凹の水場



おいしかったんですけど、少し飲むのに勇気のいる水の出方です。



水場を過ぎると岩だらけの険しい道に。



と思ったらまた木道。



それにしても、高層湿原ていいですよね。
まるで天空に浮かんでいるかのような別世界です。



しばらくするとゴツゴツした岩山が見えてきました。



11:44 梵天岩に到着



これから行く西吾妻山山頂方面。
ひたすらなだらかな山並みが広がっています。



見晴らしがいいので、ここで休んでいる人が多かったです。
でもどうせなら山頂で食事はしたいですよね。

ゴツゴツした岩体を越えて更に先へ進みます。



11:54 天狗岩到着。
この場所自体が天狗岩ということらしいです。



ここにある吾妻神社にお参り。
今日はあまり歩いていないので、まだまだ余裕。




方角的にあれは鳥海山ですかね。
東北の山で今一番登りたい山ですが、山形と秋田の境にある為、さすがに日帰りは困難・・・いや、もしかして夜行バスを使えば・・・



さてさて、いよいよ日本百名山吾妻山の最高峰・・西吾妻山の山頂です。



最後の登り。胸を躍らせながら登っていきます。



12:11 日本百名山西吾妻山 登頂! 




そこに広がっていたのは、息を呑む圧倒的絶景・・・





圧倒的絶景・・・




・・・あれ? せまっ!






ああーーーーーーーー!!




西吾妻山の山頂に展望なし。
そういえばそんな話あったような、なかったような・・・。






これはまさにぃー! 痛恨のぉぉ不完全ぇぇぇん燃焼ぅ!!



果たして西吾妻山に絶景スポットはあるのか・・・?
次回、希望を求めて吾妻連邦を更に西へ・・・。





to be continued

☆西穂高岳☆~上高地から独票まで ほろ苦い北アルプスデビュー~


いつもお読み頂きありがとうございます。
去る2018年8月14日、長野県の北アルプスにある西穂高岳に行ってきました。


穂高連峰と言えば、日本百名山にして北アルプスを代表する山塊。
最高峰は奥穂高岳3190mで、富士山北岳に次ぐ日本で三番目に高い山です。


といっても、今回行く西穂高岳の標高は2909m、オチから言うと、時間やら天候などの要因が影響して『西穂独票(独立標高点)』標高2701m地点までしか行けなかったんですけどね・・・。


今年の目標の一つだった北アルプスデビュー
忙しない夜行バス→上高地日帰りの旅開帳です。




8/13 20:40 僕は何故か埼玉県の大宮駅にいました。



別に電車の乗換えを間違えたわけでも、はたまた寝過ごしてしまったわけでもありません。



その理由はこれに乗る為・・・。
そう、夜行バスです。


今回の登山口がある長野県の上高地に行く『さわやか信州号』が、ここ大宮駅から出ているのです。
ほんとの話、東京駅や新宿駅からも出ているんですが、数日前には軒並み満席。
今回の北アルプス行を諦めかけたその時、運よく大宮からの便が空席なのを見つけたのです。


ありがとう、埼玉!



今回の『さわやか信州号』は、これまで乗ってきた夜行バスと違って普通の観光バスと言った感じ。席も独立していない為、隣の人が目と鼻の先に・・・。
ただでさえ眠れない夜行バスなのに、眠れたんだか眠れなかったんだかよくわからないまま、『さわやか信州号』は目的地の上高地へと夜道を突き進みます。


10/14 5:20 というわけで、さわやか信州号のシートの上であまりさわやかとは言えない朝を迎えました。



終点の上高地バスターミナルの手前にある『帝国ホテル前』で下車します。



登山口へ向かう途中、公衆トイレとベンチがあった為、用をたして朝食にしました。



コンビニで買ったパンをたいらげ、登山口へと向かいます。



朝の田代橋です。霧がかかっています。
今日の天気は晴れのち雨らしいので、早めの下山が必要。



5:56 西穂高岳登山口へ到着。
さすが北アルプス、立派な登山口です。




これが今回のルート。
そもそも西穂高岳に登る人は、高山の方からロープウェーで行く人がほとんど。
今回は初の北アルプスということで、何とか上高地に行きたかった為、わざわざ長くてきついルートを選びました。


※参考にさせて頂いたブロガーの方は、軽い感じで登ってましたが、決して楽なルートではありません。
登山あるあるで、登山計画の参考にした記録が滅茶苦茶健脚な人のものだったってやつです


硬派な登山者を気取りながら、運動嫌いで体重も日に日に増加傾向にある自分。
体力面では、そこいらにいる山ガールに惨敗することもあったり・・・。





まずは中継地点の西穂山荘を目指して出発します。
コースタイムは3時間50分とだいぶありますが、僕が見たブログの方は1時間40分程度で到着していました。
さすがにそれは無理としても、2時間くらいでは到着したいところ・・・。


スタート直後は傾斜のない道が続きます。



しかし徐々に傾斜が出てきます。
西穂山荘の標高は約2300m、上高地は約1500m
中継地点の西穂高山荘までで800mは登らないといけないので、中々の急登です。



水場のはずでしたが、どこにもそれらしいものはなし。



そして樹林帯の中、容赦ない急登は続きます。
前回の登山で太ももをつってしまった為、脚の負担軽減になるよう久しぶりにストックを使用しました。

ダブルストックって、確かに足への負担は軽減できるけど、上半身を使うので余計に疲れる気がしたり・・・。単に使い方がヘタクソなだけですかね。



割と平坦な道になってきました。



と思ったらまた容赦ない急登。
それにしても、このアルプス感ゼロな樹林帯はいつまで続くんでしょうか?
北アルプスの森林限界はもっと低いかと思ってましたが、幻想だったみたいです。
わざわざ北アルプスまで来て、眺望の全くない樹林帯をひたすら進みます。



8:10 焼岳への分岐に到着しました。
焼岳も百名山ですが、北アルプス入門として比較的登りやすい山みたいです。
どっちに登るか迷いましたが、北アルプスの誇る『穂高ブランド』の名前に負けてしまいました。



最後の登りを終え、やっとこさ西穂山荘が見えてきました。



8:22 西穂山荘に到着!



2時間以上登って来たので、結構疲れました。一旦休憩です。
ロープウェーで登って来た人たちが沢山休んでました。



ここでは西穂ラーメンという名物があるので、帰りには是非食べていきたいところ。



8:38 天気はあいにくですが、山頂を目指して出発。



基本曇ってましたが、チラチラと眺望が。あれは焼岳かな?




ハイマツがひしめく稜線を進み・・。



8:55 西穂丸山に到着。
こんなのもあったのか・・くらいの感覚。



しかしながら、曇ってさえいなければ、圧倒的な絶景が広がっていたんでしょうね。



道は徐々にガレ場になって歩きにくくなります。



しばらく進むと、人が沢山いるピークらしきものが見えてきました。



あれが西穂高岳独票みたいですが、ずいぶんと険しそうな感じ。
一応この日の為に、好日山荘でヘルメットを購入してきたので被ってます。



なんか〇✖だらけで逆にどこをすすめばいいかわからなくなりそう。



9:54 西穂高岳独票に到着。



登ってきた道を振返ります。
あのガスを何とか吹き飛ばしたいところ。



で、ここは当然頂上ではありません。
前方に薄っすらと見えてきたのは、ピラミッドピークと言われる次のピーク。その先に本当の山頂があります。

しかしながら、周囲の話だと午後は雷雨になるとかならないとか・・・。



とりあえず先に進もうとしましたが、天候は悪化の一途を辿り、視界はホワイトアウト状態。



さーてさて、一体どうしたものか・・・。


【ここで引き返した場合】
登頂はできないものの時間に余裕ができる→西穂山荘でラーメン→上高地で日帰り温泉→お土産買う時間も確保→千葉に早めに帰れる



・・・何だ、意外と悪くないじゃないか。



【このまま進んだ場合】
西穂高岳に登頂→登頂したはいいが眺望ゼロ!→途中で雷雨→ビチョビチョ→岩場が滑って超危険→下手すりゃ雷にうたれる→下山が遅れて上高地から帰れない



正に、ハイリスク・ロ――リターーーーーーーン!!



ざわ・・ざわ・・ざわ・・











10:21 というわけで、後ろ髪引かれつつも来た道を引き返すことに。
これはあれです。いわゆる戦略的撤退というやつなわけで・・・。



10:28 独票まで戻ってきました。



こういう岩場は、登ってくる人とすれ違うのが大変。



次はいつ来れることやら・・・



相変わらずの空模様ですが、僅かに眺望が。
天気ばかりはどうにもなりませんね。



11:29 西穂山荘に戻ってきました。



今回は登頂できなかったので、登山バッジはまた今度か・・・



・・・と思いきや、なんと独票のバッジまでありました。
どうやら、独票まで行って引き返す人が結構多いみたいですね。


登山客への配慮なのか商売が上手いのか・・・両方でしょうかね。



手拭いだと思って買ったら、ハンカチでした。
それはそれで使うので問題はありませんが・・。



そして今日のランチは、西穂山荘名物『西穂ラーメン』で!
山小屋で生麺を使用したラーメンの提供は、非常に珍しいとのことです。
値段は900円。今回はしょう油味を食べましたが、味噌味もあります。


疲労した体にラーメンの塩分が染みわたります(´▽`*)
いわゆる普通のしょう油ラーメンですが、今この瞬間、この場所で食せることが何よりプライスレスです。



12:03 早くしないと雨が降り出す恐れがある為、早めに下山。
山小屋のちょい下にはテント場があります。
荷物がとんでもなく重くなる為、あまりやる気にならないテント泊ですが、山小屋の空き状況に左右されないのは魅力だな、と最近思ってたり。



はい、そしてあとはひたすら長くて退屈な樹林帯を、上高地まで下っていきます。



13:42 特に見せ場はないので、そのまま登山口へ。



そのまま日帰り入浴のできる上高地温泉ホテルへ。
ここの日帰り入浴15時までなので、早く下りてこなきゃ入れませんでした。




登頂するのと同じくらい、僕は登山後の温泉にこだわってます。
まあ、汗を滝のように流した夏山登山の後に風呂も入らず帰ったら、バスや電車の中は軽く異臭騒ぎって話です。




お土産を買って不要な荷物と一緒に家へ送ってもらいました。
後はゆっくり上高地を散策・・・とはいかず、時間は既に15:26そろそろ帰りのことも考えないとヤバかったり。



おお! これがあの有名な河童橋か。
この橋を渡ってしまえば、もうすぐ上高地バスターミナルです。



バス停に向かう僕の前に現れる悪魔的大行列。
何だか嫌な予感・・・。


確か一般車の駐車場がある沢渡(さわんど)までのバス待ちの行列だったと思います。


上高地から東京方面への帰りは、バスで松本駅まで行って電車で帰るか、新宿か東京駅までの直通バスがあります。
東京方面への直通バスは、中央道でお盆の帰宅ラッシュに巻き込まれてしまう可能性が高かった為、松本から電車で帰ることにしました。
※といっても、既に東京方面への高速バスはチケットを買う直前で終わってしまったんですが。



ところがどっこい、松本方面のバスもお盆の影響ですこぶる混雑しており、約1時間待ち。
何とか17:25発の便のチケットが取れました。


そして16:00前から降り出す滝のような圧倒的豪雨。雷もゴロンゴロン鳴ってました。
写真じゃわかりにくいですが、ほんとに尋常じゃない大雨です。
下山が遅れてたら最悪だったな・・・。




17:25 次々と売店が閉まって行く中、ようやく松本へ行くバスに乗りこめました。
しかしこのバス、新島々駅というところで『松本電鉄上高地線』なる電車に乗り換えるという、環境に優しいハイブリッド方式の交通手段なのです。
(「めんどくさ!」と僕が思ったのは言うまでもありません)
※時間によって松本駅まで行く便もあります。



18:30 まどろみながらバスに揺られること約1時間。新島々駅に到着しました。
ここから松本駅までは約30分。
松本から特急スーパーあずさに乗って東京方面へ帰り、千葉の家に着いたのは24:00前でした。


初の北アルプス遠征は、何だかほろ苦い感じで終わってしまいました。
一つだけ言えることは、上高地はとんでもなく遠いってことですかね。
行くのも大変でしたが、お盆時期ということもあって帰るのも非常に大変でした。
バスの最終も18:00過ぎくらいまでなので、一歩間違えれば帰れなくなりますしね。



今回の教訓は、
お盆に日帰りで上高地へ登山へ行ってはいけない
(かなり限定的ですが・・・)



その教訓を踏まえ、今度再訪する際はどこかに泊まろうと思います。



そしていよいよ秋山シーズンの到来です。
まだどこへ行くかは決まってませんが、春はあまり登山に行けなかった分、色々と行ってみようかと思います。



【コースタイム】
6:00西穂高岳登山口 → 8:22(休憩10分)西穂山荘 → 8:55西穂丸山 → 9:54西穂高独票 → 10:20ピラッミッドピークへ行く途中に撤退 → 10:28西穂高独票 → 11:29(休憩30分)西穂山荘 → 13:42西穂高岳登山口




それでは、お読み頂きありがとうございました。
次回もまた宜しくお願いします。