素人登山者の山行クロニクルズ

アウトドアとは無縁な生活を送っていた引きこもり系会社員が、何を血迷ったか、登山にハマってしまいました。
主に素人登山者の行く、素晴らしき登山(珍道中)の記録です。

☆至仏山☆~憧れの地、遥かな尾瀬へ~

はじめに

 
 去る2016年9月10日、群馬県の尾瀬ヶ原にある至仏山へ行ってきました。
記念すべき最初の記事は、この年の4月から始めた登山の記念すべき10座目。登山を始めた時からの憧れの地、尾瀬に行ったお話です。


 2016年の4月、一年ちょっと前になりますが、思い立って登山を始めることになりました。
 元々アンチスポーツ・アウトドアであった自分が、何で登山なんかやろうかと思ったのかは、正直わかりません。
 もしかしたら、小さな頃見たあの景色のせいなのかもしれません。小学校の修学旅行で富士山の五合目までバスで登り、その時に見た南アルプスの山々があまりにも雄大であったのを今でも覚えています。


 何でこのタイミングでブログなんか始めるかというと、先日足を躓いて転倒し、足の骨にひびが入りました。つまり骨折です。自分の家で。
 ということで、このハイシーズン前に登山に行けなくなるという、登山者としては直視できない悲惨な現実が僕の前に立ち塞がりました。
 ああ、さらばアルプス、富士山、東北の山々よ。また来年出会えることを信じて・・・。 


 気を取り直して、今までの山行の記録を振り返ります。



尾瀬戸倉へ


 普段は公共交通機関を使って日帰りで登山に行くことが多いですが、尾瀬は山深いところにあるので、地元である千葉からの日帰りはほぼ不可能。


 金曜の夜から自家用車で、登山バスの出る尾瀬戸倉を目指します。初の車中泊からの登山ということで、若干の不安が募ります。


 仕事終わりに今回の相棒 HRS君と合流。関越道の沼田ICで降り、ファミレスで食事を取って、尾瀬戸倉に着いたのは、深夜3:00頃。眠れるのは実質2時間ちょっとというところでしょうか。


 夏の車中泊なんて地獄かと思っていましたが、外にでると肌寒いくらいで、深夜バスなんかよりよく眠れました。



 朝6:00頃の尾瀬戸倉。土曜日ということもあり、駐車場には前の夜からかなりの車がありました。さすが登山者の憧れの地、尾瀬です。



 HRS君にとっても憧れの地である尾瀬。朝の尾瀬戸倉は、外に出るとブルってしまうくらい肌寒く、彼はダウンを着こみます。頭にタオルを巻いて、やる気満々です。



 早朝にも関わらず、バス乗り場は込み合います。ここから鳩町峠というところまでバスで向かいます。



 鳩町峠のバス乗り場。ここから数分歩いたとこに今回のゴール地点である、鳩待峠の登山口があります。



 今回のコースは、鳩待峠を起点とする周回コースです。
 気を付けなければいけないのは、山ノ鼻からのコースは登り専用で、鳩町峠から登ってしまうと自動的にピストンをするしかなくなってしまうこと。まずは山ノ鼻を目指します。



鳩待峠




 AM7:00 鳩町峠休憩所に到着。ここから山ノ鼻までは1時間ほど。標高は既に1500mくらいあり、奥多摩とかだったら頂上でもおかしくない高度。9月上旬なのにやっぱり寒いです。
 コースを間違えないよう念入りに地図を確認するHRS君。




 憧れの尾瀬の入口で記念撮影。ついにこの地に立つことができました。
 さぞ経験者っぽく振舞いますが、登山歴たった半年。いっちょ前なのは格好だけです。



如何にも尾瀬といった木道を進みます。



 サラシナショウマとかいう高山植物です。たぶん。
 とりあえず写真に撮りますが、花の名前は全然覚えられません。



お馴染みのクマさんの目撃情報。



道沿いに沢が流れます。たかがこれだけのことですが、来てよかったと思えたり。



山ノ鼻





一時間かからないくらいで、山ノ鼻のビジターセンターに到着。もうここには帰って来ないので、見学して行きます。



 とりあえず、一際目を引くのはこの展示。確かにこんなのが目の前に現れたら、走って逃げたくなります。目撃情報も多数です。
 あれ、この場所が一番多くない?



 展示を一通り見たら、尾瀬ヶ原の散策に映ります。時間がないので、申し訳程度しかできませんでしたが。



 山ノ鼻の山荘前に張られたテント。テント箔はかなり荷物が重くなるらしいので、あまりやりたいとは思えません。まあ、いつか気が向いたら・・・。



さあて、尾瀬ヶ原のスピード散策開始です。地図を見ると30分程度の周回ルートを進みます。



 そうですこれです! 小学校の時に国語の教科書に載っていたのは、まさしくこの光景。美しい湿原に伸びる木道は、地上の楽園への道です。



 夢にまで見た尾瀬へ来られた喜びを全身で表現する自分は、既に三十路を過ぎています。



 小学校からの同級生であるHRS君も尾瀬に来られてご満悦の様子。



 これから登る至仏山も見えてきました。思ったよりもなだらかな山肌です。
 しかしながら、この特別な日に相応しい圧倒的快晴です。登山口を前に心が躍ります。



 トリカブト。とりあえずです。



至仏山登山開始


 そして登山口。なんやかんやで時間は既に9時前になってました。意気揚々と登山を開始します。二人とも元気なのは、この辺くらいまでです。



 序盤は水が流れる石と階段の道を進みます。登り始めから中々登らせてくれ、自分もHRS君も登るのと反比例して口数が減っていきます。


 


 樹林帯にうんざりしながら30分、あっという間に森林限界です。こんなに早く森林限界を迎えられるのは、豪雪地帯である尾瀬ならでは。この言葉を聞くと、何だか心が躍りますね。リミッター解除(限界突破)です!



 段々道が荒れてきます。それにしても水の流れてくる量が尋常じゃありません。沢登りですか?



 目の前の悪路を見て、嬉しそうに写真を撮るHRS君。今回の登山で、彼が“悪路フェチ”であることが発覚しました。
 そして森林限界を越えているはずなのに、まだしばらく樹林帯。
 やっとこさ、樹林帯を抜けたところで小休止です。あまり寝てないせいか、序盤でかなり体力を持っていかれた気がします。


 まあ、そういう時は少し後ろを振り返ってみましょう。



 僕たちの後ろに広がっていたのは、日本屈指の湿原である尾瀬ヶ原。そして彼方に聳えるのは、東北最高峰の日本百名山、燧ケ岳です。す・・すげー!
 東北最高峰と言っても、限りなく関東に近い為、東北か? と少しばかり眉唾な二つ名ではありますが、美しいその姿は、至仏山以上と言っても過言ではないのでは。
 至仏山に行くよりもアクセスがすこぶる悪い為、行くとしたら、遠い未来になるのでしょう。



 森林限界を越えて、見晴らしの良い道が続きます。ただし、夏の陽ざしは無情にも僕らの体力を奪っていきます。せっかく持ってきたし、ストックでも使うかな。



 自分が持ってきたストックを、一本HRS君にも貸してあげました。ストック初体験の彼は、この日ストックの有用性に衝撃を受け、すぐにストックを購入したといいます。



 悪路は続くよどこまでも。喜ぶHRS君。



 小さくなっていく尾瀬ヶ原を見下ろして、結構登って来たのが実感できます。



 ノリノリでポーズを決めるHRS君。自分が言うのも何ですが、彼は中々イケメンなので、普通にやったら痛いポージングでもそれなりに絵になります。
 ただし、間違っても僕らはそういう関係ではないので、悪しからず。



 ここまで来ると、頂上まであとちょっと。なだらかな階段が続きます。しかし、以外にこの階段が結構きつかったりします。



どんどん小さくなっていく尾瀬ヶ原と燧ケ岳。



至仏山頂



 11:20頃、至仏山頂に到着。コースタイムは3時間なので、まずまずと言ったところ。
 興奮して手を大きく振り上げるHRS君。憧れの尾瀬ということもあり、喜びも一入です。



 自分も記念に撮って貰います。こういうことができるは、誰かと来る利点ですね。今でも、知らない人に撮って下さいと頼むのが苦手なコミュ症な自分です。まあ、細かい注文もつけずらいですしね。
 ちなみにザックにぶら下げてるのは、千葉県が誇るゆるキャラ、チーバ君です。この青と赤の真反対なコントラストが何とも言えません。


 山頂はそんなに狭くはありませんが、人が結構多かったです。
 昼休憩する場所を確保し、持ってきたカップ麺をすすります。山で食べるカップ麺は最高ですが、たまには違った趣向も試みたい今日この頃。



 食べ終わったら、至仏山の頂上を満喫します。新潟方面(たぶん)を見渡す自分。



 とりあえず、なんかそれっぽい格好をしてみます。雰囲気が大事なんですよね。雰囲気が。



 尾瀬ヶ原と一緒にとって欲しいと頼まれ、HRS君を撮ります。アングルが気に入らなかったらしく、リテイクをくらいました。



 いつも行きたくもない登山に連れて来られるチーバ君。千葉県は47都道府県で一番山の標高が低い県だそうです。



 頂上を満喫したところで、帰りのバスに間に合うよう下山開始です。鳩町峠まで下りていきます。



 小至仏山に到着。道の途中にあるだけで、そこまでの感慨はありません。だけどせっかくなので写真は撮ります。



 雲行きが少し怪しくなってきました。もう下りるだけなので、雨さえ降らなければ、どうでも良かったり。



 登りと違い、ひたすらなだらかな道が続きます。後は下りるだけなので、元気いっぱいなHRS君。



 登山道に突然現れた湿原スポット。尾瀬っぽいので写真に収めようとするHRS君。それにしても、ザックにぶら下げた何かが気になります。



鳩待峠着



 15:00頃に鳩待峠へ到着。自分は我慢していたトイレに駆け込みます。



 バスの出発前に、売店で売っていた花豆ソフトクリームを食べました。今見ると中々いいですね。値段が。


 その後バスに乗って、車の置いてある戸倉駐車場に向かいます。疲れてすっかり眠りこけていました。




温泉と晩餐



 写真には残っていませんが、この後帰りに沼田で日帰り温泉に寄ります。自分にとって、登山後の温泉は、絶対に譲れない重要な儀式です。
 そこの露天風呂の景色があまりに良かったので、こっち方面に来たときは、次も寄りたいと思いました。



 温泉で汗を流したら、晩御飯です。HRS君にとっては、温泉よりもディナーの優先度が高いようです。沼田ではとんかつが名物らしく、彼が探したとんかつ屋で晩餐となります。


 沼田とんかつ街道のトミタに寄りました。「ブラ〇モリ」で寄った店ということで期待が膨らみます。



 今となっては、お互い何を頼んだんだか覚えていませんが、普通においしかったです。


 食事を終えた僕らは、関越道を東京方面に上り、千葉へと帰ります。
 天気にも恵まれ、この旅は僕の山行の中でも、特に印象に残っています。
 あの山域には、燧ケ岳、会津駒ケ岳など、数々の名峰がまだまだ沢山あります。アクセスは困難ですが、また機会があれば尾瀬ヶ原の散策と合わせて再訪してみたいです。

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