いつもお世話になっております。
本日は真夏なのに、去年のクリスマスイブのお話です。
2016年12月24日、山梨県にある三ツ峠山に登ってきました。
三ツ峠山は御巣鷹山(1,775m)、木無山(1,732m)、そして最高峰の開運山(1,785m)の総称です。
クリスマスなんて大嫌い
イギリスのロックバンド、オアシスのギタリストであったノエル・ギャラガー氏は言いました・・・
“俺はクリスマスが大っ嫌いなんだ。ラジオから流れる馬鹿らしい音楽やCMには我慢ならない。ミンス・パイは好きじゃないし、ターキーなんか大っ嫌いだ。あんなものには巻き込まれたくないね”
さすがにこれは言い過ぎだとしても、少なからずクリスマスに良くない感情をお持ちの人はいるのではないでしょうか?
本来クリスマスとは、「イエス・キリストの降誕を記念する祭日」であり、基本的に自宅で家族と過ごすものとういうのが、一般的なキリスト教国の常識であるはずです。
ところが我が国日本では、いつの頃からか、“クリスマスは恋人と過ごすもの”という“因習”が広まってしまいました。
街には煌びやかなイルミネーション、どこに行ってもカップルたちが闊歩し、普段は絶対行かないような高級リストランテに予約が殺到します。
僕は決して忘れないでしょう。疲れた仕事帰りにカップルたちで溢れかえる電車の中の光景を・・・。
大変便利なことに、僕の敬愛するブロガーの方によると、登山業界ではクリスマスに山へ行くという世間一般からはかけ離れたロックな風習があるとか、ないとか。
とどのつまり、日本の世間一般のクリスマスに便乗できない僕らは、12月のクソ寒い中、登山へ行くことになったのです。
今回はロックを愛する登山者szkと当ブログのイケメン担当、特にロックには関心のないHRS君が冬の三ツ峠山登頂を目指します。
それは寒さと美しさ、そして残念さに彩られた、男達の栄光の記録。
クリスマス・イブに行く、男二人のロックなクリスマス登山の旅、開帳です。
※勘違いを招かないよう再度断っておきますが、僕らは決してアブノーマルな関係ではありません。
栄光と伝説のはじまり?
別に誰も望んでいないのに、12月の24・25日という連休シフトが組まれてしまいました。もしかしたら、今からでも遅くはないので、クリスマスに予定を作って欲しいという上司の粋な計らいであったのかもしれません。
そんな思惑を全く汲み取るでもなく、僕は12月24日に男二人で登山に行くという意味不明な奇行にでてしまうのです。
8:20 今日の登山は、富士急行の三つ峠駅からスタート。
僕たちは今、栄光と伝説への大いなる一歩を踏み出そうとしています。
・・・男達の熱い決意へ水を差す、美少女アニメのポップがありました。
「ヤマノススメ」というアニメの中で、実際に三ツ峠山に登っていたらしく、富士急行とコラボってました。
おいおい・・・勘弁してくれよ! お嬢ちゃんたち、登山はままごとじゃないんだぜ?
途中で歩けなくなっても知らないからな(´ー+`)!
と、噛ませ犬感が半端ない自分は、例によって余計な死亡フラグを立てるのでした。
三つ峠駅の駅舎です。
ここから登山口までは、歩いて一時間ほどもあります。今日は二人で来ているし、タクシーでいこいの森まで行くつもりでした。ところが・・・。
・・・あれ? ・・・(゚ロ゚; 三 ;゚ロ゚)?
タクシーが・・・ない!
駅前にはタクシーの一台や二台停まっているだろう・・・という浅はかな先入観が、初っ端から今回の登山計画に綻びを生んでしまったのです。
近くのタクシー会社に問い合わせたところ、ここまで来るのに20分くらいかかるとのこと。結局僕らは、一時間の野暮な車道歩きをすることを余儀なくされました。
こうして僕たちは、栄光と伝説への最初の一歩を大きく踏み外したのです。
※登山に行くときは、事前にしっかりと計画を立てましょう。
そしてこれが今回のコース。意図しない形で、三つ峠駅から約一時間の車道歩きが追加されました。僕らの栄光と伝説には、始まる前から既に暗雲がたちこめています。
まあ、結果良ければ全てよしということで、出発しましょう。
早くも目の前には、これから登ろうとしている三ツ峠山が見えてきました。見事な佇まいです。
横を向けば、これまた見事な富士山が僕らを祝福してくれているようです。
それにしても、今日はホワイトクリスマスなんてクソ喰らえと言わんばかりの大快晴!
天気は僕達の味方のようです。
黙々と車道を歩いて行きます。
三つ峠なトイレがありました。斬新なアイデアではありますが、地元の人たちはこういった公共事業をどう思っているのか、若干疑問が残ります。
小さな川の横道を進むと、滝がありました。長閑です。
9:44 登山口のある達磨石に到着しました。記載のコースタイムは1時間35分なので、まずまずと言ったところ。
予定より約一時間のビハインドですが、登山開始です。
以外に急登? ロックな山三つ峠
あんまりイメージできませんが、三つ峠駅から登るコースは、昔ながらの修験道であり、結構急だったりします。
決死の覚悟で山頂を目指す男達の前には、予想だにしない急登! 男達から言葉が消えます。
登り始めっていつまで経ってもキツイものですね。登山初めてまだ8カ月ですけど。
“三つ峠でロックする方へ”って・・・
・・・こういうことか!?
クリスマスに男二人で登山に来るような、僕たちみたいなロックな登山者へ向けての注意文かと思いました。(んなわきゃない)
登山道のベンチは、休憩をする踏ん切りになっていいです。HRS君も来ていたダウンを脱いで、本気モードです。
どこに行っても富士山が見えます。“富士山は見る山で登る山ではない”とよく言われますが、“富士山を見る”という点では、三つ峠はトップクラスの山なのではないでしょうか。
登山道には、修験道だけあって仏教に纏わる数々の史跡が数多くあります。
「イエス・キリストの降誕を記念する祭日」に仏教に関係する修験道を歩く僕たちは、やはりロックな登山者です。
富士山は綺麗ですが、いい加減見過ぎて、そろそろそのありがた味もマヒしてきそう。
大事なのは、需要と供給のバランスです。
岩に氷柱がいっぱいできてました。これを見ると、ついつい折りたくなりますが、我慢です。
しばらく行くと、断崖絶壁でクライミングをしている人たちがいました。
これが本当の“三つ峠でロックする方々”です。
ロックな登山者の僕たちですが、クライミングは専門外なので、ただただ関心しながら先を進みます。おそらく未来永劫、僕がやることはないでしょう・・・。
そして伝説へ 三ツ峠山頂
山頂に近づいて来ると、景色が開けてきます。雪を被った南アルプスが見えてきました。骨折しなければ、今頃登れてたのかな・・・。
山頂に向けて最後の階段を登ります。時に整備された階段は、急な山道よりもキツかったりします。
12:17 最高峰の開運山頂に到着しました。ほぼコースタイム通りです。コースタイムは50歳の人が歩いた時間らしいので、僕らの体力的問題点が浮き彫りになります。
千葉県民は、自分が住んでいるところをチーバ君の体のどこの部分かで伝え合ったりします。千葉県民に愛されるチーバ君ではありますが、名前ではふなっしーの方が全国区だったりします。
70年代のアイドルみたいなスナップショット。これもまたHRS君だから許される至極の一枚。例え物凄い逆光であろうと、彼はいつでも輝いています。
せっかく二人で来たので、僕も撮ってもらいました。
クリスマスに男二人で登山に来ているHRS君のことを“残念イケメン”とからかいましたが、その理屈だと自分は“ただの残念な人”になることに気付きました。
晴天とは言っても、12月の山頂はあほなくらい寒いので、上着を着こみます。
皆がクリスマスだと浮かれている頃、この日僕達は三つ峠の山頂で伝説となりました。
見て下さい。何かを成し遂げた男達の喜びに溢れる姿を!
HRS君は喜びのあまり棒立ちです。
一味違ったランチと下山道
・・・もういいでしょう。鼻水も垂れてくるし、飯でも食って下山しましょうか。
山頂から少し下りたところにこの時期はやっていない山小屋がありますが、テーブルと椅子が沢山あるので、ここでランチです。
このクソ寒い時こそ、カップ麺の本来のありがたみがわかるというもの。今日はカップラーメンの他にちょっとしたサプライズを用意してきました。
なにレモンを煮だしているのかと疑問に思われる方もいるかと思いますが、これはホットワインです。シナモンロールやクローブ、はちみつも突っ込み、冷えた体を温めます。
飲みやすいので、お酒があまり好きではないHRS君でも大丈夫!
13:32 下山開始。なんだかいつもよりふらついて、心なしか足元が覚束ないのは、きっと気のせいです。
さっきご飯を食べたすぐ下にも山荘があります。登山バッジをここでGET!
トイレを貸してもらいました。汗をかかない冬の登山のトイレ事情は深刻です。
山小屋のトイレは基本チップを取るのが一般的ですが、500円くらいまでなら出してしまいそうなくらいに、僕はトイレが近いです。
後はひたすら下山するだけです。ここで自分の体調が悪化してきます。少し前まで風邪気味だったせいか、それともアルコールのせいか・・・。
河口湖が見えてきました。ゴールまであと少し。おうちに帰りたい。
三つ峠に日は暮れて・・・。男達の戦いは今終わろうとしていた。
天上山です。体調悪化の影響で、ここの登り返しがきつかったな・・・。
カチカチ山と開運の湯
15:47 カチカチ山展望台に到着。ここからはロープウェーで下りるので、事実上ここがゴール地点。それにしても、観光地感が半端ない。
戦いを終えた男達が辿り着く場所としては、かなりゆるふわです。
クリスマスイブに登山に来てる僕らも大概ですが、ここにいる人たちも何故この日にここへ来ているのか・・・。(余計なお世話です)
とりあえず、早く下りて温泉に入りたい。ただの観光客に混じってロープウェーへ。
河口湖沿いを歩いて、今日の日帰り温泉へと向かいます。本当にどこからでも富士山が見えます。でももう見慣れた感が・・・。
16:27 本日の温泉はここ「開運の湯」にて。
開運山に登って、開運の湯に入る。ここまで運だのみの僕らですが、この記事を書いてる時点でお互いの状況は変わりなく、僕に至っては足を骨折しています。
なにやら漏水復旧中でしたが、そのおかげで入浴料を安くしてもらいました。露天風呂がGOODです。
男達のクリスマス
18:10 開運の湯の近くから河口湖の巡回バスが出ており、河口湖駅までバスで来ることができました。
当初は電車で帰るはずでしたが、ここから東京駅までバスで帰れることがわかり、予定変更。嬉しい誤算です。
“開運の効力”が発揮されてきたのかもしれません。
お? 嬢ちゃん達、また会ったな。・・・何? これから富士山に登るだって!?
言っただろ? 登山はままごとじゃねーんだ。途中で歩けなくなっても・・・(以下略)
バスまで時間があったので、山梨名物のほうとうを食べていくことにしました。クリスマスだということを微塵も感じさせないこのチョイス。
戦いを終えた男達の前には、煌びやかなクリスマスツリーも、ターキーも、ケーキさえもなかった・・・。
そこにあったのは、一杯のほうとう。それは戦いに疲れ、冷えきった男達の身と心を芯まで温めてくれたのであった・・・。
そう、男達の栄光と伝説は、まだ始まったばかりだ。
END
ここまで僕の感情垂れ流しのお見苦しい記事を読んで下さって、誠にありがとうございます。
だいぶ季節感の欠如した記事でしたが、読んで頂いた皆様に今年も素敵なクリスマスが訪れますように。
真夏のメリー・クリスマス♪