素人登山者の山行クロニクルズ

アウトドアとは無縁な生活を送っていた引きこもり系会社員が、何を血迷ったか、登山にハマってしまいました。
主に素人登山者の行く、素晴らしき登山(珍道中)の記録です。

☆金峰山☆~秋の浮世絵富士と 五丈岩の神性~ 


2017年10月11日、山梨県の金峰山に登ってきました。


奥秩父山塊に属し、古くからの信仰の山です。山頂には巨大な五丈岩が鎮座し、富士山が臨めます。


ずっと行きたかった山だったのですが、如何せん登山口への公共交通機関でのアクセスが悪く、足を伸ばせずにいました。
しかしながら今回も電車+レンタカーという30代独身実家暮らしのパワーをフル活用し、マイカーで行ける日本で二番目に高い登山口、大弛峠へ行くことにしました。




朝7:00 の新宿駅です。今年の夏から結構な回数乗っている、特急スーパーあずさにて山梨県へ向かいます。
それにしても、中央新幹線が敷かれていれば、山梨へのアクセスももっと楽なのにな。




7:56 大月駅に到着しました。距離的には塩山駅の方が近いのですが、調度いいレンタカー屋がなくて、大月で借りることにしました。



ギリギリになって借りたため、喫煙車しか空いておらず、車内は予想通りヤニの臭いで臭かったです。あと、USBの差し込み口もなかったので、スマホを充電する予定が崩れました。



9:58 長い長い峠道を経て、大弛峠に到着しましたが、平日にも関わらず既に駐車場は満車。



少し引き返すと、路肩のスペースに車を停めることができます。もれなく野暮な車道歩きが追加されますが。




“車で越えられる峠としては日本一標高の高い峠”
紛らわしいですが、あくまでものお話です。きっと全国の峠マニアの皆様には堪らない場所なのでしょう。



10:11 ということで、登山開始です。



今回の登山のルートです。大弛峠からアップダウンを経てのピストン登山です。



個人名の入った山梨県の注意喚起看板。僕は辛うじて通らせてもらいました。



結構高所のはずなのに、ずっと樹林帯が続きます。森林限界の少し手前をずっと歩いていくような感じです。何か物凄く惜しい。



いきなり迂回で新ルートへ。



ひたすら樹林帯の中を進みます。標高の割に見晴らしの良いポイントは少な目。



木の間から富士山が見えてきました。何か浮世絵みたいですね。



朝日岳の手前で、見晴らしの良い岩場に到着。遠くの富士山が蜃気楼のように浮かび上がっています。



11:10 朝日岳に着きました。取って付けた感を醸しだしています。



遠くに高峰が見えます。南アルプスとかでしょうか。



遠くに特徴的な岩が見えてきました。あれが金峰山の山頂にある五丈岩ですね。



そして急な下りです。これを下るということは、帰りに登らないといけないということ。いつもと違い、アップダウンの行程なので、帰りも結構登らないといけません。



そしてまた樹林帯の中へ。せっかく抜けたのに。



無心に歩いて、ようやく背の高い木が少なくなってきました。



森林限界です!
見晴らしのいい場所に出ると、少し疲れがリセットされる気がします。



遠くに見えるのは八ヶ岳かな。中々アクセスが悪いので、日帰りで行くのは難しいところ。



中央の岩がゴツゴツしているのは、百名山の瑞牆山です。最初はあそこに登ろうと思っていましたが、平日はバスの本数が少ないので止めました。




もう山頂近く。かなりでかい岩がゴロゴロしています。




五丈岩が見えてきました。いよいよ山頂です。



12:08 山頂に到着しました。年季を感じる看板です。



金峰山の象徴、五丈岩です。設けられた鳥居が信仰の山といった感じ。



ありました。山梨の独自ブランド、「山梨百名山



下には琴川ダムが見えます。



とりあえず腹ごしらえ。今回も安定のカップ麺です!



カップ麺をすすっていたら、若い子たちが五丈岩に登っていました。途中で諦めてたみたいですけど。僕もあと10年若かったら・・・。


心はすっかりおじいちゃんです。







八ヶ岳、瑞牆山なども良く見えます。



13:06 少し下りたところにある金峰山小屋登山バッジを買いに行きます。
ここが中々の急な下りで、下りている時から嫌な予感がしてきます。



山小屋の隣の大きな岩です。



13:18 金峰山小屋に到着! 



登山バッジとタオルを忘れたので手拭いを買いました。登山バッジはあらかじめ売っているところを調べておかないと買いそびれるので注意です。



これからの季節に登る山を決める指標となるのが、山頂のトイレの有無です。いや、マジこれ大事ですよ!
中々キレイなトイレでした。



13:34 再び山頂を経由して下山を始めます。


早速僕の嫌いな登り返しからスタート。しかも急登! ここが今日一番の難所だったのでは? (※精神的に)













13:52 再び山頂へ着いて、下山を開始します。



来た道を戻るので、やっぱりピストンはあまり面白くありません。大変な登り返しがあることもわかってるし。



来るときは素通りして気付かなかった鉄山。これじゃ無理もないでしょう。



お待ちかね登り返し。思ったほどは辛くなかったです。



15:30 大弛峠に帰ってきました。



満車であった駐車場も疎らになっています。



とにかく山道が長く、運転するのがしんどいですが、まずは日帰り温泉を目指します。



日帰り温泉に行きやすいのが車のメリット。読ませてもらっているブロガーの方が行っていた「ほったらかしの湯」に入りました。
「あっちの湯」と「こっちの湯」の二種類の浴場がありますが、「あっちの湯」しかやってませんでした。





富士山大菩薩嶺などの名峰、山梨の街並みが一望できる素晴らしい温泉施設でした。



そして中央道を経由し、再び大月へ帰ってきました。何やら選挙演説をしており、駅前は騒然としていました。



帰りも特急あずさで新宿を経由して千葉へ帰りました。
特に一人だと不経済ではありますが、電車+レンタカーの組み合わせは、日帰り登山に無限の可能性をもたらしました。
今密かにこの方法で行こうと思っているのが、滋賀県と岐阜県に跨る伊吹山です。30代独身実家暮らしのパワーは留まるところを知りません。皆様ご期待下さい。



ということで、ここまでお読み頂き、ありがとうございます。






☆月山☆~秋に浮かぶ天空の神殿 美しき東北の名峰へ~



 2017年9月27日、山形の名峰月山に登りました!
 標高は1,984m 日本百名山にして、東北屈指の名峰・霊山です。
 今年は、磐梯山、早池峰山と、2回東北の山に登りましたが、この月山は最も登りたかった東北の山です。


 最低でも一泊は必要と思われた山形遠征ですが、今回は、


 夜行バス→レンタカー→新幹線


 という強硬手段で、日帰り(夜行バスを使っているので、前夜泊みたいなものですが)で行ってきました。
 



深夜バスで山形駅へ



9/26 深夜24:00前、僕は東京のど真ん中、新宿駅にいました。
この日は仕事だったのですが、元々簡単に定時に上がれる仕事ではないものですから、ヒヤヒヤしながら、一日を過ごしました。



 何故かといえば、深夜24:05発の深夜バスを予約していたからに他ならず、万が一この時間に間に合わなければ、せっかく計画した今回の山形行が水泡に帰すからです。


 初めてのバスタ新宿



 何とか余裕を持って到着することにあいなりましたが、バスに乗る前に腹ごしらえ。
 こないだ盛岡に行ったとき、皆寝てるバスの中で食事を取るのが非常に気まずかったからです。


 結局吉野家マックくらいしかやってる店がなかったので、吉野家カレー牛丼みたいなのを食べました。いつの間にか吉野家にもカレーなんてあったんですね。


 そして山形行の深夜バスに乗車。前回深夜バスに乗った時は、ほとんど眠れず、仕方なくスマホでずっと漫画を読んでました。


 今回も眠れないんだろうな~と思っていたら・・・


 後ろに人がいなかったこともあり、椅子を全開に倒して横になったら、結構眠れました。



 翌朝6:30 山形駅西口へ到着です。


 
 早朝の山形駅。とりあえず、朝ご飯を食べようと、やってる店がないか探しました。



 そういえば、盛岡に行った時は、松屋くらいしか朝からやってる店はなかったな。
 昨日の夜は吉野家だったから、牛丼屋以外ならなんでもいいや~





 で、あったのは・・・








 
 デジャブでした。
 




 ※誤解を招かないように言えば、僕は牛丼屋の中で松屋が一番好きです。





いざ月山へ 自動車の旅



 8:00 の開店を待って、レンタカー屋へ。
 これが今回に愛機 トヨタ ヴィッツです。一人だし、安い軽自動車でもいいかなと思いましたが、キャンペーン中でだいぶ安く借りられました。




 9:20 蛇のようにくねくねした山道を登って、月山姥沢駐車場へ到着しました。
 300台以上のキャパがあるらしいです。



蛯沢から月山へ 黄金色の草原を行く



 本日のルート。登りは歩いて、帰りは途中でリフトを使用します。
 今見てみると、なんで姥ケ岳に行かなかったんだろう・・・。




 9:35 準備を終えて、いよいよ月山へ出発です。街中は晴れていたのに、山の上の方は曇ってます。



 登山口には関所があり、「月山自然なんちゃら~」という名前の通行料を支払います。
 


 リフト乗り場へ向かう道と分かれて、登山道へ。緩やかな道が続きました。




 名峰だけあって、道は結構整備されています。



 二列の木道になりました。
 木道って良くないですか? 尾瀬を筆頭に、木道が敷いてある山は結構好きです。
 歩きやすく、景観を損ねず、むしろ木道自体が美しい景観をつくり出している観も否めません。
 木道ラブな自分なのでした。



 これから登る月山が見えてきました。天気は今一ですが、興奮して足早になります。



 なんか少し晴れ間が見えてきました。山肌は結構紅葉してるみたいです。



 山頂へ近づくに連れて、辺りは秋の色に染まっていきました。




 僕が予想していたよりも、遥かに紅葉が進んでいました。迫りくる圧倒的な美しさ! “黄金の秋”とでも言わんばかりです。




 リフトから登ってくる道と合流。


 

 段々傾斜がでてきます。今までほとんど平坦だったので、しんどいです。



 道も荒れてきました。ただ今まで楽であったので、比較的疲れてません。


 


 振返ると、今まで歩いて来た木道が小さく見えます。



 なだらかな山々が美しく連なっています。



 頂上に近ずくに連れて傾斜はさらにきつくなりますが、景色がいいので気になりません。



 少し疲れたら、後ろを振り返り、そしてまた先へ進む。なんだか人生ですね(´▽`*)



 何やら石垣みたいなのが見えてきました。



 清廉厳かな雰囲気になってきた感じです。



 湿原みたいになってました。山の上に池ができています。




月山神社



 そして見えてきました。月山の山頂に静かにたたずむ“天空の神殿” 月山神社です!


 羽黒山、月山、湯殿山の三つの山を総称して、出羽三山と呼び、“死と再生の山”として古くから信仰を集めてきました。




 死と再生の山・・・


 
 つまり・・・



 ここで滑落死しても大丈夫!?












 すみませんでした・・・。





 
月山神社にお参りして、お昼にします。




 見晴らしのいい場所でお昼にしました。大体皆ここらへんで食べてました。



 今回も毎度おなじみカップ麺です。いつも何か凝ったものを・・・と思いつつこれです。うまい・安い・早い!



 食後にコーヒーを飲んで、山頂を満喫。山頂にトイレがあるので、頻尿の僕も水分の取り過ぎを気にする必要はありません。



 山頂をぐるっと散策。





リフトを使ってスピード下山


 13:00 名残惜しいですが、山頂を後にします。さらば月山神社!



 月山殺人事件~花は見ていた~・・・これ見たら、何となく思いつきました。




 また雲が多くなってきました。紅葉がくすんで見えるのが、少し残念。



 それでも燃え上がるように真っ赤に色づく山肌。



あれ? こんなベンチあったけかな。



13:35 あっという間にリフト乗り場への分岐点へ帰ってきました。もうちょっとです。



 先程登った、月山を振り返ります。



 リフト乗り場が見えてきました。周囲が紅葉していて、無駄に綺麗です。



 13:51 リフト乗り場へ到着しました。



 アンチ・スポーツな僕は、当然ウインタースポーツもやりません。リフトなんて中学生の時のホワイトスクール以来乗ってないので、少し心配。



 ・・・思ってたよりずっと快適でした。うとうとしてきます。



 14:09 リフト乗り場兼売店に到着です。



温泉と辛い帰り道



 若返りの水! 水筒に水を補給してグイッといきます。
 う~ん。これが若さか・・・。




 売店でお買い物。山形名物玉コン登山バッジ、そして月山魂ポロシャツをゲット。



 14:36 リフト乗り場から駐車場は目と鼻の先です。
 思ったよりも、早めに帰ることができそうです。



 姥沢駐車場からほど近いところにある温泉旅館で日帰り入浴していきました。
 僕が温泉を選ぶ際、最も重要になってくるのが、露天風呂の存在です。
 確かにここにも露天はありましたが・・・。内湯は檜木風呂風で、木の良い香りがして、凄く良かったです。



 さっき買った、月山魂ポロシャツに着替えました。
 汗も流したし、そろそろ帰りますか。
 
 山形自動車道に乗って、山形駅を目指します。山形駅までは一時間ほど。
 遠いから早く帰りたいですね。



 片道一車線の山形自動車道を快調にとばしながら、憧れの月山を登り終えたという達成感に浸ります。






 そして今思うのは・・・。








 これが車で登山に行く上での最大のリスクです。
 今回はコースタイムも短く、あまり疲れなかったはずなのに・・・。


 結局サービスエリアに寄って、車の中で30分くらい爆睡。早く帰れたのにね・・・。




 17:30 くらいに山形駅へ到着して、18:00過ぎの山形新幹線で帰りました。
東京まで3時間近く。思ってたより遠かったです。




 今回の山形遠征で、今年初めに僕が掲げた登山の目標はほぼ達成しました。
 やっぱり東北の山って素晴らしいですね!



 これからは寒くなってくるので、比較的近い山域での登山へシフトチェンジしていくつもりです。
 まだ行ってない秩父なんかいいかもしれません。





 それでは皆さん、ここまでお読み頂きありがとうございました。
 どこか登山へ出かけたら、またここで。






☆富士山☆~日本人の心に聳える 頂点の山へ(後編)~


 皆さんこんにちは。いよいよ富士登山編、試練の2日目スタートです!



 9/9~9/10にかけて、山開き最終日に日本の象徴、富士山の登頂を目指す僕とHRS君。既にHRS君は高山病にかかっており、僕らの行く手に暗雲がたちこめます。



雨の日の出発



 中世の奴隷船みたいに登山者が枕を並べる満員の山小屋で、何とか数時間の睡眠を取ることができた僕は、友人のHRS君の声に目を覚ました。
 高山病なのに眠ってしまった彼は、横になっているのも苦痛なほどの頭痛に目を覚まし、もう寝付くことができなかった。山小屋の従業員の助言に従い、HRS君は仕方なく、既に消灯している山小屋の休憩所で水を飲み、深呼吸しながら休んでいたのだ。


 「下でやすんでたら、だいぶ良くなった」


 HRS君の言葉に胸を撫で下ろしつつ、僕は既に周囲の登山者が出発の準備をし始めているに気が付いた。
 深夜1:15となり、寝室の電気が点けられと、山小屋の従業員がご来光目当ての登山者へ大きな声で呼びかける。


 「山頂でご来光を見たい方は、1:45には出発して下さい!」


 起きて、いよいよ山頂を目指そうと出発の準備に取り掛かる僕のはす向かいで、今起きたばかりの年配の白人男性登山者へ、別の外国人登山者が困った様子で声を掛けた。


 「イッツ・レイニー」


 それを聞いた年配の白人登山者は、驚いた様子で振返り、いぶかし気に答えた。


 「レイニー!?」


 僕はこの瞬間、自分の拙い英語力では、彼らの会話をきっと聞き取れていないのだと思いたかった。しかし、中学生でも理解できそうなその外人同士のやりとりは、僕らに悲しい現実を突きつけるのであった・・・。



 回りくどい小説風な前置きをしてしまいましたが、僕が何を言いたかったのかというと・・・。




 雨です!!



 山の天気は変わりやすいとは、よく言ったものですが、今回雨に降られるとは、正直予想していませんでした。
 皆上下レインウェアを着ているのは、最初防寒の為だと思いましたが、外に出ると結構な勢いで降ってました。


 とりあえず、僕とHRS君も上下に雨具を着て、昨晩支給された弁当(おいなりさん)を食して、他の登山者同様、ご来光を見に出発です。


 2:00 いよいよ出発します。幸い、雨もだいぶ小降りになってきました。





 雨の中の行軍スタート。ご来光目当てに皆が一斉に出発する為、深夜にも関わらず、登山道は大渋滞です。



 道を埋め尽くすヘッドライトをつけた登山者が、幻想的な光の列となって山頂へと伸びていきます。



 雨の中進むこと、約3時間・・・



日本の頂へ

 
 4:53 何とか夜明け前に山頂へ到着。なんだかHRS君の表情が芳しくありませんが・・・。



 人のひしめく山頂でお互い記念撮影。



 山頂は沢山のご来光待ちで、ひしめき合ってます。


 さあ・・・いよいよご来光の時間です!




 ・・・



 ・・・



 ・・・ん?


 





 ・・・あれ?





 日の出・・は・・・?





 見え・・ない?



 





 そりゃ、雨が降ってたくらいですので、晴れているわけがありません。
 かろうじて、薄っすらと山の下の灯かりが見えるくらいです。



 そして朝の山頂の冷え込みが、容赦なく僕らの体温を奪っていきます。
 フリースを着て、上下雨具、グローブを付けていても手がかじかんできます。


 ここで、富士山における第4の注意点、“寒さ”です!


 早朝の富士山頂とか、夏なのに最早冬山です!
 ※雨が降ってなければ、軽量のダウンを持っていきましょう。




 こんな天気では仕方がありません。さっさと、最高峰の剣ヶ峰に行って、お鉢巡りでもして下山することにしましょう。



 そう言って、僕がHRS君に声を掛けたその時でした。




 彼の様子が明らかに変です。







 そうです・・・。
 疲れと寒さで、もうよくわかりませんでしたが、彼の高山病はとっくに再発していました。




 HRS君・・・ここで無念のギブアップです。




 結局、お鉢巡りとHRS君を天秤にかけた結果、僅差で下山することにしました。



下山と無限ループ地獄



 5:36 名残惜しいですが、下山開始です。
 下山はジグザグしたブルトーザー道とかいう広めの道を使いました。
 寒さの為、氷柱ができてました。HRS君に教えてあげます。



 「見て見て! 氷柱ができてる!」




 仕方がないので、先を進みます。



 あれあれ、少し進むと景色が開けてきました!
 皆足を止めて、景色を眺めています。そして僕らも・・・。





 「晴れてきたみたいだから、少し見ていこうよ!」





 彼も大変そうだし、足を止めて、しばし景色でも楽しみましょう。



 今まさに登ったばかりの日の光が、雲海の向こうの空を幻想的に照らし出していました。
 ちゃんとしたご来光は見られませんでしたが、これはこれで絶景でした。



 高山病バリバリのHRSさんも、ご満悦!



 高山病で虫の息であった、HRS君の体に鞭打って、写真を撮って貰いました。
 みんな逆光です。


 景色は良くなってきましたが、このジグザグの下山道は単調過ぎて、地獄の無限ループです。



 HRS君も少し元気になってきたかな・・・?



 疲れと高山病で、HRS君の体力はつきかけていました。
 彼のペースに合わせて、休み休み進みます。



 ここまで悠々と進んで来た僕でしたが、僕の体にもある異変が・・・。


 い、いかん・・・これは一番まずいやつだ!


 ・・・トイレに行きたい!


 そういえば、山小屋を出てから、トイレに行ってません。高山病対策で、水分を多めにとっていたことが裏目に出てしまいました。
 HRS君も実は我慢している様子・・・。


 しかし、地図を見て見ると、7合目の公衆トイレまでトイレはありません。


 こ、これは・・・いや、





 登りに比べ、圧倒的にトイレの少ない富士山の下山道。
 携帯トイレも持ってましたが、物影の全くない富士山の下山道で使うことは不可能です。



 徐々に高まっていく尿意を堪えながら、無限に続くかと思われる地獄のジグザグループをひたすら進みました。



 緊急避難小屋へ到着。いっそうのこと、この中で携帯トイレでも使おうかと思いましたが、我慢。


 しかし、僕らの膀胱は破裂寸前です。




 もうダメかも・・・。






 そして・・・。






 8:13 ようやく、7合目公衆トイレに到着です。ただのトイレなのに、もはやオアシスです。
 ここでしばしの休憩。山頂からそのままの格好で下山してきたので、結構汗をかいていました。雨具を脱いで、行動食を取ります。
 さすがに、ここまでくれば、HRS君の高山病も一段落・・・。




 後は、ひたすら5合目を目指して進みます。
 ここで、今晩何を晩餐にするかで、僕らは話し合っていました。


 「とりあえず肉だろ」
 「そうだね肉だね」
 「肉っていったら、何があるかね。焼肉? ステーキ?」
 「焼き鳥ってのもあるけど」
 「いやいや、普通肉を食べようって言って、焼き鳥はないでしょ?」
 「それはおかしい! 焼き鳥だって肉料理じゃないか!」
 「それはあれだよ、焼き鳥はどちらかというと酒の肴的な感じだからじゃないかな?」
 「そ、そうか!? 焼肉やステーキはそれ自体でメインになり、それを目的に食べに行くことが多いが、得てして焼き鳥は、飲み屋に行く際の選択肢として考えられることが多い! そういうことだったのか!」


 ・・・二人とも納得。


 毒にも薬にもならない与太話をしている間に、ゴールへ近づいていきます。



 「ところで、ハンバーグは肉を食べたい時の選択肢になるのかな?」
 「それは違うよ。魚を食べようって言って、おでんを食べるようなものさ」
 「なるほど、加工品繋がりってわけか!」


 どうしようもない、未婚30代男子の拙い会話でした。
 僕らが結婚できない理由を何となくご理解頂けたかと思います。



 9:23 そんな馬鹿話をしている間に、5合目に到着しました。
 僕らの前に馬車が走っていますが、5合目の少し手前から乗ることができます。


 だけど料金は2000円です。


 HRS君「乗りません!」※即決





 お土産を買って、いらない荷物と一緒に郵便局からゆうパックで送りました。
 身軽になったところで、お昼ごはん!


 富士山名物 富士山噴火カレー です。


 本当に富士山が噴火して、死者でも出ようものなら、こんなメニュー出せなくなるんだろうな・・・。


 ずっとぶら下げていたのに、存在を忘れていたチーバ君を申し訳程度に撮っておきます。


 11:30 バスに乗って、富士山に別れを告げました。




長い長い帰り道



 12:24 懐かしの河口湖駅に到着。



 去年、三つ峠山に登った帰りに寄った、ほうとう不動。こんなに混むんですね。
 そういえば、あの時もHRS君と一緒でした。




 ちょっとバスに乗って、河口湖の辺にある日帰り温泉へ。
 ここにも去年来たし。





 二日分の汗を流し、バスに乗って再び河口湖駅へ戻ります。



 とりあえず、東京まで帰ってから晩餐にすることに。
 電車かバスのどちらで帰ろうか迷いましたが、乗換のいらない楽さと、値段の安さで、今回もバスでかえることに・・・。


 


 16:30 東京駅行きのバスに乗りました。



 バスの窓からは、登ってきた富士山が見えます。

 「なんだかんだで、いい登山だったね」
 「うん」


 しかし、楽しいのはここまででした。
 皆さん、何か大事なことを忘れてないでしょうか?
 そうです、富士登山での5つの注意点です。
 もう、とっくに下山してますが、家に帰るまでが登山なのです。


 富士山における第5の注意点、それは“中央道の渋滞”です。


 帰りのバスへ乗った僕らを待ち受けていたのは、中央道名物、小仏トンネルを先頭とする、圧倒的渋滞です。
 僕らの残念無双は、まだまだ終わっていませんでした。


 日曜日✖夕方✖中央道

 それは、悪魔の方程式でした。
 当初2時間で東京駅へ着く予定が、2時間遅れ、トータル4時間ものロングクルーズとなりました。


 20:45 東京駅へ到着。せっかく早く帰れたのに、アドバンテージを全て無駄にしてしまいました。



 そして、僕らの前には、明日は仕事だという現実・・・。
 もうヤケクソの焼肉です! ヤケクソだけど焼肉です!


 
 こうして、僕らの長い長い富士登山は終わりを迎えました。
 結局、剣ヶ峰に行ったり、お鉢巡りをすることはできなかったので、できれば来年あたりまた登ってみたいです。次回は富士宮ルートとかからでもいいかもしれません。

 今回、高山病がトラウマとなって、HRS君はしばらく登山をお休みするそうです。
 でもきっと大丈夫! また来月あたり普通に登山をしていることでしょう。


 それでは皆さん、お読み頂き、ありがとうございました。